『昆虫記』はこれまで何度か翻訳されてきた。今は奥本大三郎の完訳が手に入る。注も至れり尽くせり。出てくる虫の正体がよくわからない、なんてことはまったくない。虫なんか、なんの関心もなかった、この本が初めてという人でも十分に読める。ルビまで振ってありますよ。 そのうえ、どこから読んでもいい。はじめからきちんと筋を追う、というような本ではない。自然を観察し記述する。それを学ぶテキストとして最良である…

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