ChatGPTを活用すれば、人の手を必要とする煩雑な仕事の一部を「なくす」または「減らす」ことができる(gettyimages)
ChatGPTを活用すれば、人の手を必要とする煩雑な仕事の一部を「なくす」または「減らす」ことができる(gettyimages)
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 AIは仕事を奪うものではない。人間のよきパートナーであるべきだ。「なくなる」と聞けばネガティブ。でも、なくしたり減らしたりできればポジティブにもなれる。AERA 2023年3月20日号では「ChatGPTの衝撃 なくせる仕事」を特集。その中から、ここではChatGPTが導く将来を紹介する。

【「将来なくなる仕事」をChatGPTに聞いてみた結果はこちら!】

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 淡々とした質疑が飛び交う官房長官会見で、一人の記者が注目を集めた。

「ChatGPTとの対話でできた質問をします」

 そう切り出したのは、動画配信サイト「ニコニコ動画」の記者だった。ChatGPTとは、人工知能による対話型の自動応答ソフトのこと。イーロン・マスク氏らが共同設立した米OpenAI社が昨年11月に発表して以来、まるで人間と会話をしているかのような応対力が話題に。今年1月には、米マイクロソフトが数十億ドル(数千億円)投資すると発表するなど、関心の高さがうかがえる。

 くだんの会見(3月6日)では、そのChatGPTが「官房長官へ質問をする」という前提でAI開発の可能性について質問を作り、記者がそれを読み上げた。「ニコ動」記者は視聴者がリアルタイムで書き込んだコメントを質問することでも知られているが、今回は人ではなくAIの疑問を代弁した形だ。

 松野博一官房長官は顔色を変えることなく、「政府を挙げて総合的に取り組みを進めていく」などと回答。このやりとりはネットニュースでも報じられ、質疑内容ではなく「ChatGPTが質問した」として話題をさらった。

ついに“使えるAI”が

「まさに100年に一度の産業革命です」

 そう語るのは、メディアプラットフォーム「note」CXOの深津貴之さんだ。同社では、GPT-3を使った「noteAIアシスタント(β)機能」を2月に導入。ユーザーの書いた記事にタイトルを提案したり、文章のレビューなどで創作のサポートを始めた。

 たとえば、こうだ。

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「ものすごいお祭り騒ぎが始まった」