なぜ日本人は英語のアウトプットに弱いのか? アメリカで長年教育に携わる、スタンフォード・オンライン・ハイスクール校長の星友啓さんは、「背景には日本のテスト偏重の英語教育の実情がある」と語ります。そこで、星校長が提唱するのがChatGPTを活用して無料で手軽にできる英語のアウトプット学習です。AIに出す指示(プロンプト)の具体的な作り方や、学習方法のポイントを教えてもらいました。

MENU 日本人に足りないのは「アウトプット環境」! ChatGPTのプロンプトを個別最適化するための3つのポイント 子どもの内発的なやる気を満たすには?

日本人に足りないのは「アウトプット環境」!

――新刊『脳を活かす英会話 スタンフォード博士が教える超速英語学習法』(朝日新書)では日本人の英語のアウトプットの弱さを指摘されています。その背景には何があるのでしょうか?

 まず世界的な視点で見ると、日本国内では英語を話せる人が非常に少ないため必然的に英語を話す機会も少なくなります。また、2020年より小学校で英語が必修化されましたが、教育現場における英語の指導法は、英文を読み上げたり、読んで理解を確認したりといった学習法が多く、自分の考えを英語で話したり書いたりして学ぶ頻度は少ないという調査結果があります。そこには、まだ教員全員が生きた英会話ができる環境が整っていない現状も関係しているようです。

 一方で、小中高を通して4000~5000語と英語での日常会話に必要な語彙量は学べています。リスニングのレベルもそこそこ高く、文法や読解も強い。つまり、日本人が強化すべきは「アウトプット」。意識的に英語を話す・書く環境を作ることが必要なのです。

スタンフォード・オンライン・ハイスクールの星友啓校長。ブックファースト新宿店刊行イベントにて(撮影/後藤求)

ChatGPTのプロンプトを個別最適化するための3つのポイント

――そこで活用したいのが、生成AI、ChatGPTなんですね。特にChatGPTを使って英語のアウトプットを強化する方法は、大人はもちろん親子でも活用できて便利ですね。個別最適化する秘訣はありますか?

 ChatGPTのプロンプト(AIに対する指示)に「英語レベル」「学習したい内容」などを詳しく書くことで、自分のレベルに合った英語学習をすることができます。次の3つのポイントをおさえておくといいでしょう。

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布施奈央子
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