人気コラムニスト、翻訳家である山崎まどかさんの新著『「自分」整理術―好きなものを100に絞ってみる―』。そのタイトルが示すように、自分を改めて見つめ直し整理してみるため、山崎さんが100項目もの「好きなもの」を挙げています。



「ワードローブの中身を整理するように、自分のうちを整理してみませんか? 難しいことではありません。楽しんで出来る整理術を考えてみました。自分にとって大事なもの、無条件で好きなものをまずは百項目、挙げてみるのです。百という数字は多いようで、少ない。それだけで大分、自分が見えてきます」



 そう言って山崎さんが挙げる100の好きなものは、本、映画、音楽、食べ物、洋服、香水、アクセサリー、文房具と多方面に渡ります。そしてそのどれもが、センスの良いお洒落な一品ばかり。



 スティーブンアランのシャツ、ジョンスメドレーのカーディガン、アクア・ディ・パルマの香水、マスト・ブラザーズのチョコレート。こうした一品一品の数々が、知的で素敵な100のエッセイ、見ているだけでセンスの良くなるような写真と共に紹介されていきます。



 そしてアメリカ文化に詳しい山崎さんだけあって、それらのエピソードからはニューヨークをはじめとしたアメリカの最近のカルチャー事情も伝わってきます。例えばマスト・ブラザーズのチョコレートは、ブルックリンの食事情と共に語られます。



「ニューヨークのブルックリンは今や、インディ・フードのメッカです。オーガニックであることにこだわる若い職人たちがシーンを動かしています。(中略)中でも有名なのは、リックとマイケルのマスト兄弟が作っているマスト・ブラザーズ・チョコレートでしょう。純粋にカカオとサトウキビだけで出来ている、保存料などを一切使わないオーガニック・チョコレートです。そのクオリティが評判を呼び、ブルックリンのフード哲学を象徴する一品となっています」



 山崎さんの選んだ100のものからは、山崎さんの関心やこだわり、生活スタイルを垣間みることが出来ます。何を選ぶのかということは、一人一人のその人らしさを浮び上がらせることに繋がるのです。



 みなさんも自分なりの好きなもの100個、楽しみながら考えてみてはいかがでしょうか。