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  の“かつら”(写真左)がわが家にやって来て15年がたった6年前、ミニチュアダックスの“ミスター”(同右)がやって来ました。
“かつら”は甘えん坊の雄。体は白いのに頭だけが黒く、まるでかつらをつけているようだったので、“かつら”と名付けました。
 相性は大丈夫だろうか。甘えん坊のおじいちゃん猫といたずら盛りのちびっこ犬は、仲良くできるだろうか……。気掛かりでした。
 この心配はすぐ解消されました。猫の“かつら”は、すっかりお母さん(?)気取りで、また犬の“ミスター”もすっかり甘えん坊の息子気取り。この2匹は、しっかり親子になってしまったのです。
 とは言っても“かつら”が息子を叱るわけでもなければ、“ミスター”がおねだりするわけでもなく、気が付けばいつもぴったり寄り添っている、そんな間柄を見せてくれるだけです。
“かつら”もすっかりおじいちゃんになり、1人、ゆっくりしたいころかなと思っていたら、昨年、20歳で静かに天国に向かいました。
“かつら”がいなくなって一番寂しさを感じていたのは“ミスター”でしょう。あれだけいつもぴったり寄り添っていたのですからね。
“かつら”には、みんな感謝しているよ、甘えん坊の“ミスター”を見守ってくれたんだから。その大きな包容力でね。
 今も、“ミスター”はいつも2人が寝そべっていた場所を忘れず、1人でじっと“かつら”が帰ってくるのを待っているかのようです。
 本当にありがとう“かつら”、これからもずっと“ミスター”を、そしてわが家を見守っておくれ、遠い空から、いつまでも。そして、気が向いたらいつでも戻って来ておくれ、“ミスター”に会いに。約束だよ、永遠の……ありがとう……“かつら”……。

(小林範子さん 東京都/41歳/主婦)

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