地方都市を舞台に、女性の生き様を描いたデビュー作『ここは退屈迎えにきて』で注目を浴びた期待の新人・山内マリコさん。彼女の新作ガールズ小説『アズミ・ハルコは行方不明』が"異常に刺さる小説"としてネットユーザーの間で話題となっています。



 前作同様、舞台は「閉塞感を抱えた地方都市」。国立大を退学したばかりのユキオは、地元での退屈な時間を持て余し、成人式で再会した愛菜とのセックスに浸る日々を送ります。ある日、ユキオは中学で登校拒否だった学と再会。二人は覆面芸術家を追ったドキュメンタリー映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を見て興奮し、意気投合します。映画に影響された二人はしだいにグラフィティアートに夢中になります。



 街中でスプレー缶を振り回す二人が描くのは、行方不明の張り紙にあった「安曇春子」の顔写真と、MISSINGの文字。そこかしこに拡散されていく「アズミ・ハルコ」のグラフィティアートはネットでも話題となり、同時期に噂されていた男性を襲う女子高生らによる「少女ギャング集団」との関連がささやかれはじめます。



 何の縁もない女性をモデルにし、はじめは遊びのつもりで始まったグラフィティアートは、いつしか壮大な人探しに発展。「アズミ・ハルコ」はなぜ、この街から消えてしまったのか? そして「少女ギャング団」とは何なのか? その謎を紐解いていくうちに、「地方女子がこれから幸せに生きて行くヒント」がじわじわと見え隠れしていきます。



 地域活性化を目指しさまざまなアーティストを地方へ呼び込む「アートフェス」や、一世帯につき一人一台は当たり前の車社会、Facebookより使用頻度が高いmixiなど、恥ずかしくなるほどリアルな地方都市の姿は、「地方住みには納得のいく話ばかり」「出戻り組には痛い話」などと、ネットユーザーからは共感の声も多数。可笑しくてミステリアスな一冊となっています。

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