12ミリF2.0をつけたオリンパス ペンE-P3。長いストラップをつけ、いつでもバッグから取り出して撮影できるようにしてある。カメラ上部には、ペンパルPP-1を装着。写真を瞬時に送り共有することで、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいる。
12ミリF2.0をつけたオリンパス ペンE-P3。長いストラップをつけ、いつでもバッグから取り出して撮影できるようにしてある。カメラ上部には、ペンパルPP-1を装着。写真を瞬時に送り共有することで、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいる。
韓国を代表するリゾート地・海雲台(ヘウンデ)。ジオラマモードが利いて、カラフルなパラソルや人の動きがミニュチュアのような不思議な作品に仕上がっている
韓国を代表するリゾート地・海雲台(ヘウンデ)。ジオラマモードが利いて、カラフルなパラソルや人の動きがミニュチュアのような不思議な作品に仕上がっている
クラブでライブ中にDJブースからよく撮るという。お気に入りの超広角12ミリF2.0で開放撮影。客の盛り上がりが伝わってくる
クラブでライブ中にDJブースからよく撮るという。お気に入りの超広角12ミリF2.0で開放撮影。客の盛り上がりが伝わってくる

――カメラはいつから?

 小学校のころからひとりで電車に乗ったり、鉄道がカーブするところで撮ったりして、「鉄道ジャーナル」に小さく写っちゃうくらい鉄道好きだったんです(笑)。工場や車両基地に電話して「今日、見学に行きたいけどいいですか」って聞いて、カメラを持って行ったりしてました。いまはダメだと思うけど、当時は運転手さんと仲よくなって、リゾート列車の運転席に乗せてもらって撮ったりもしました。切符はちゃんと買いましたけどね(笑)。そのとき使ってたのは、フジのカルディアだったかな。中学生になると部活もあったし、忙しくてあんまり撮りに行かなくなりました。その後はリコーGRデジタルをしばらく使っていて、これはこれで味があってよかったんですけど、オリンパス ペンE-Pシリーズで、写真が断然面白くなりましたね。E-P1、2、3と全部もっています。

 きっかけは内蔵されている「マルチMixスライドショー」という機能のBGMを依頼されたことです。カメラで撮った映像をテレビなどにつないで見るときのスライドショー用のBGMを書き下ろしたもので、30秒でループして延々に繰り返してもあきない音楽になってるんです。もともと移動中の車窓の風景など旅先からインスピレーションを受けているので、スライドショーとわりと合う気がします。自分の曲が世界中で親しまれているカメラに入っていると思うとすごくうれしいですね。

――撮影はどのように。

 家が札幌にあって、毎週末DJの仕事で全国に行くので年間200回くらい飛行機に乗るし、新幹線や特急でも移動しながらいろんな風景を撮るんですよ。本格的に三脚を立てて、マニュアルでというよりは移動しながらのパッと撮りがメーンです。飛行機内で、「洞爺湖の夕焼けがきれいだ!」と思ってパッと撮る。E-P3はそういう直感的なパッと撮りに向いてていいですね。カメラには長いストラップをつけて、それをカバンから出しておいて、何かあったら引っ張ってすぐ撮れるようにしています。このカメラは露出調整も押すだけで簡単に明るくしたり暗くしたりできるので、それさえ覚えておけば「逆光だったらこうしてみよう」とか誰でもできるのがいいですね。内蔵機能のアートフィルターもすごく充実していて、作品的な写真が簡単に撮れます。

――感覚的に撮る?

 DJの機材って考えないでパッパと使えるようにできてるんですけど、E-P3もそれに近いですね。最初からすぐ直感的に使えました。よくDJブースから片手で撮るんですけど、暗いクラブの中でお客さんを撮ってもブレないんですよ。手ブレ補正がすごすぎます(笑)。オートフォーカスもすごく速いし、12ミリF2.0との組み合わせが好きですね。ペンパルPP-1をつけると簡単に携帯電話に写真を飛ばせて、クラブの様子やツアーの風景などをリアルタイムでリポートできるのもいい。ツイッターとかで、「今日も盛りあがってるよ」みたいに速報アップしてます。

 自分の音楽の世界観をみんなに伝えたいので、カメラの必要性は大きいですね。ブログの写真は多いほうが見る人も楽しいだろうし、CDを聴いてブログとセットで現在進行形の行動写真を見てくれると、自分の世界観がより伝わると思っています。たとえば、「今はスタジオに入っているよ」とか、「この風景からインスピレーションが浮かんだ」とか、CDができるまでの過程を見てもらいながら、CDがリリースされたら、それを聴いてもらうという連動性はカメラを通してじゃないとできないと思います。

※このインタビューは「アサヒカメラ 2012年5月号」に掲載されたものです