
わが家のニャンコ先生こと、こまめとよもぎ。こまめは10歳のお兄ちゃん(写真上)、よもぎは8歳の妹(同下)。私にとって2匹は人生の先生なのである。
それぞれ、保護した時は手のひらにのるくらい小さく、こまめは台風の翌日、道路でうずくまっているのを散歩中に発見した。
目は開かず、鼻は詰まり、毛並みもガサガサ。獣医さんによると、あと一歩で命が危なかったらしい。元気になると今度は一日中いたずらばかり。「困ったこまちゃん」というあだ名がつくほどで、調子に乗って、ガスの元栓をかじる始末。この時は一番ヒヤヒヤした。
よもぎは草むらの中に、紙袋に入れられて捨てられていた。普段通らないその道を車でゆっくり走っていたら、ミャーミャーとけたたましい声が聞こえた。車から降りると、170グラムの小さな体でよろめきながら泣き叫んでいる子猫がいた。
体がノミだらけだったので、毎日ノミ取りに悪戦苦闘した。さらに、小食でなかなか食べず、だいぶ大人になるまで私の手から缶詰を食べさせたりして、甘やかして育ててしまった。
お日様の当たる場所でおなかを出して寝る2匹。
「こまめは賢いね。人間だったらきっと研究者だね」
「ニャ」
「よもぎは小顔でスマートだから読者モデルかな?」
「ウンニャ!」
こんな会話をしつつ、小さな幸せを感じる。
先のことを考えてくよくよしない、無理に人に合わせずマイペース、マイペース。そして毎日を精いっぱい生きる──ニャンコ先生たちの行動は私のお手本だ。
と言っているそばから2匹の激しい取っ組み合いが始まった。クローゼットに追いつめるこまめ、逃げるよもぎ。
「やめなさーい!」と私の声が今日も響き渡る。
(内広さくらさん 千葉県/38歳/主婦)
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