ブリトニー・スピアーズが6月3日、国立代々木競技場第一体育館での東京公演を皮切りに15年ぶりのジャパン・ツアーを開始した。
18時を少し回った頃、コンサートはヒット曲「ワーク・ビッチ」でスタート。10数名の男女ダンサーとミュージシャンを引き連れてブリトニーが登場するやいなや、熱狂的ファンで埋め尽くされた会場は、割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。露出度の高いセクシーなボディスーツ姿で現われた彼女は、ほとんど贅肉ゼロといったふう。軽やかな身のこなしで完璧にコレオグラフされたキレのあるダンスを披露し、「ウーマナイザー」「ギミ・モア」「トキシック」など次々とヒット曲を歌い上げた。
セットリストは、ラス・ベガスで行なってきた内容とほぼ同様。全てがヒット曲で構成され、綿密に練り上げられたプロダクションの下に、次から次へと目まぐるしく変化する一瞬たりとも見逃せないハイライトの連続だ。情熱的なムードから、セクシーに、妖艶に、カラフルに、チアフルに、キュートに、フューチャリスティックにと、ステージ・セットと共にパフォーマンスのムードも変遷。7回を超える素早いコスチューム・チェンジを含めて、全てが小気味良く進行。ファンをステージに上げるサプライズなども用意され、まったくダレることがない。
初期ヒットをドラマチックなバージョンにアップデートしたり、ポールや椅子を使ったダンスを織り交ぜるなど、ショーガールを彷彿とさせる演出も多数。最新アルバム『グローリー』からのシングル「メイク・ミー... feat. Gイージー」では、これまでの彼女とは異なる、センシュアルな大人の色気も加わった。
前回の15年前のツアーでは、若さ溢れるガムシャラな姿が印象的だったが、今や30代半ばを迎えて、しなやかな新たな魅力で表現者としての成長を窺わせた。
90分以上に及ぶコンサートはアッと言う間のように思えたが、実に見せ場が多く、丁寧に作り上げられていたのは、やはりラス・ベガスでの長期レジデンシー公演で鍛え上げられた成果だろうか。復活劇なんて言葉が霞むほど、パフォーマーとしての自信やオーラ、歓びに満ち溢れ、輝きが圧倒的だったブリトニー。新たなブリトニー伝説が、またひとつここに誕生した。
TEXT:村上ひさし
◎公演情報
【ブリトニー・スピアーズ LIVE IN CONCERT
ALL NIGHT NIPPON 50th Anniversary】
6月3日(土) 東京 国立代々木競技場第一体育館 ※終了
6月4日(日) 東京 国立代々木競技場第一体育館 ※終了
6月6日(火) 大阪 大阪城ホール