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 「もともとは山形名物の玉こんにゃくだけを作っていたんですが、時代が変わり消費量がだんだん減ってきたので、もっとお客様に楽しんでもらえるように工夫した、いろいろなこんにゃくを作るようになったんです」(こんにゃく番所・丹野益夫さん)

 こんにゃくの名産地といわれる場所は、全国各地にある。おいしいこんにゃくの条件はとにかくきれいな水があることだ。山形県上山市、かつて羽州街道の要衝として栄えた楢下宿に店を構えている丹野こんにゃく「こんにゃく番所」を訪ねた。ここにも地下二百数十メートルから湧き出すカルシウム豊富なアルカリ性天然水「益栄の水」があり、これが独自の食感を持つさまざまなおいしいこんにゃくを生み出している。

 「最初はこんにゃくを買いに来てくれる人たちのための無料の茶屋のようなものだったんですが、集まってくる人たちにいろいろなこんにゃくを試してもらううちに懐石料理を出してみようかということになりました。最初はこんにゃくだけの店なんて、という声もありましたし、こんにゃく専門の料理人もいない。物産展などで全国のおいしいものを食べながら私も料理の勉強を重ねて、少しずつメニューを増やしてようやくお客様に来ていただけるようになりました」

 ここで食べられるのは、こんにゃくづくしのフルコース。でも、そのどれもが「これがこんにゃく?」と思うようなものばかりだ。フカヒレ風、しゃぶしゃぶ風、牛タン風、モツ焼き風、ビーフシチュー風、ステーキ風、寿司風……。次から次に出てくるものみんな、知らずに食べたらこんにゃくだと思わないようなものばかりだし、とにかくおいしい。楽しいのは、見た目も肉や魚そっくりに作られていることだ。

 「こんにゃくはどんな味もつけられる。あとは食感をどう再現するかを一生懸命考えるんです」

 食べれば食べるほど、その工夫に驚く。材料の混ぜ方、製法、加工法など、ひとつずつ細かなこだわりがあり、それがおいしさに繋がっている。併設されているカフェのメニューにあるパイやジュースなども(もちろんこんにゃく入り!)、どれもおいしい。特に山形名物のラ・フランス入りの「こんにゃくみぞれ」は、ジューシーでまるで本物のフルーツを食べているような食感。日本中にあるどんなこんにゃくゼリーよりもおいしいと断言できる。ほかにお取り寄せできるキムチ味こんにゃくや、こんにゃくの牛しぐれ煮もオススメだ。ご飯のお供として最高。僕も様々な友達に送っている。

 低カロリーで胃腸の掃除もしてくれるこんにゃく。しかもそれがこれだけおいしいとなれば、今の食卓に欠かせない一品になるだろう!!そして、こんなにいろいろなカタチに変化できるのであれば、日本を代表する食材として世界でも人気が出るかもしれない。直営店が早く東京にできることを、ただただ願うばかりだ!!