先日、大人気の連続テレビ小説「あまちゃん」に出演したことでも話題となったコピーライターの糸井重里さん。糸井さんが主宰するサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」では、ドラマ出演を前に、懸命にセリフを覚える姿などが紹介されています。
そんな糸井さんが、現在仕事の軸としているのが「ほぼ日」の更新。同サイトには、糸井さんのエッセイ「今日のダーリン」が掲載されています。
このエッセイには2つのルールがあります。毎日更新すること、そして、アーカイブを残さないこと。「休まず、残さず」がモットーの糸井さんらしく、エッセイは基本的にはその日一日しか読むことができません。
糸井さんのエッセイなどで書かれたことばの一部が切り取られて、一冊の本となりました。書籍『ぽてんしゃる』は、「小さいことばシリーズ」の7冊目。同シリーズは、毎日書かれる糸井さんの膨大な原稿、「今日のダーリン」や、糸井さんのTwitterでのツイートから、「心に残るフレーズ」を編集した本。1年に1冊ずつ作られています。
表紙カバーには、「タントセレクト」という織りに特徴のある紙を採用。紙そのものに硬さがあるので、折ったり、摩擦を加えると、印刷のかすれやひび割れ、繊維のはがれが生じます。
質感と手触りを重視するために、表紙カバーには保護加工を行なっていません。そのため、他の本よりも早く経年変化や風合いが現れます。そして、ページ外側部分の角を丸く仕上げる加工は、すべて職人が手作業で行っています。それ故に、一冊一冊に個体差があり、その本にしかない個性が出てくるのです。
選びぬかれた言葉とともに、不思議な手触りも楽しめる一冊です。