先日、新大久保でランチをした。歩いていると「ビビンバビュッフェ525円」という看板を見つけたので、入ってみた。

 ビビンバというのは韓国のどんぶりご飯で、ナムルやタマゴやそぼろやキムチなどを載せ、コチュジャンなどの辛みソースをかけていただくものだ。これが大好きで時には自分でも作る私は、食べ放題と聞いて飛び込んだ。

 お店の中の言語環境からしてどうも本場韓国のかたが切り盛りしている食堂のようだ。ビュッフェをと言うと、銀色のボウルを渡された。
「おかわりしてはダメです。1度だけよそっていいです」
 と説明を受ける。一緒にいた男性は小型洗面器のようなボウルにどっさりとご飯を盛っているが、私はとてもそこまではできない。おずおずとボウルの4分の1ほどの量のビビンバごはんを作った。これだけの量でスープも付いて525円とはあまりにもありがたい。

 近ごろは、ビュッフェが激安化している。先日は入った店が「アイスクリームビュッフェをしている」という。8種類のアイスを好きなだけ盛れてさらにチョコや蜜などのソースもトッピングできて、おかわり自由でたったの200円だった。子どもたちは喜んで何度もアイスコーナーを往復していた。

 原宿にはお好み焼き食べ放題1500円の店がある。外国人客が多かったのが印象的だった。新宿ではおでん食べ放題の店に入ったこともあるし、最近はいろいろな食べ物が自由に味わえるようになっている。

 このあいだ、美男子2人と一緒にホテルのビュッフェに入った。そこは3333円で食べ放題と少し豪華で、カニやローストビーフなど食材も高価そうなものが多かった。
 彼らはさぞかし喜んでくれるかと思ったら、
「これ食べられない」
「これあんまり好きじゃない」
 とかなりの偏食ぶりをみせてくれた。そのくせ葉っぱのサラダばかり盛ってくる。
「ケーキビュッフェのほうが好き」
 と真顔で言われて、このスイーツ男子め、もっと栄養のあるもの食べなさい!と叱ってみた。でも叱ったくせに、今、私はそんなスイーツ男子のために、可愛いケーキビュッフェのお店を探してあげているのだった......。