
2022-23シーズンが始まった7月1日、宇野昌磨はフィギュアスケート日本代表エキシビション「ドリーム・オン・アイス」(KOSE新横浜スケートセンター)で、新シーズンのショートプログラム『Gravity』を滑った。
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既に4月末のアイスショーで披露していた『Gravity』は、それから2カ月を経てさらに洗練された印象を与えた。黒のスーツ姿の宇野が、エレキギターの音色とジョン・メイヤーの渋い歌声に乗り、試合より小さいアイスショーのリンクでは狭く感じるほど伸びのあるスケーティングをみせる。チャームポイントであるクリムキンイーグルも入っており、昨季ついに世界王者となった宇野の貫録漂う演技だった。
ショー終了後に取材に応じた宇野は、『Gravity』の振り付けを担当したステファン・ランビエールコーチが来日しており「少しブラッシュアップもかねてこのショートプログラムを見てもらい、今年のルールに沿ったプログラムに変えてもらいました」と話している。具体的には、今季からレベルの要件に「難しい出方」が加わったスピンを修正したという。
ルールについてはスピン以外にも、セカンドジャンプにアクセルを跳ぶジャンプシークエンスの基礎点が、従来の0.8倍から1.0倍に上がる変更もあった。しかし宇野は「そんなに大きな変化はないというのが僕の印象です」と語っている。
「今までやってきた練習を何かすごく変えなければいけないという変化ではないのかなと思うので、特に大丈夫かなと」
具体的には、スピンについては「レベルとれるように頑張ります」、またジャンプについては「多分どのトップ選手もコンビネーションにアクセルを取り入れてくると思うので、『置いていかれないようにちゃんとやっていかなければいけないな』という気持ちです」としている。
「今考えていることは、シーズンに向けて、スケートにどう取り組んでいくかということ」と言う宇野は、落ち着いてスケートに向き合う充実した日々を過ごしているようだ。世界王者である24歳の宇野は既にベテランの域に入りつつあるが、成長への意欲は衰えない。