auショップ店頭に貼られていた通信障害に関するお知らせ
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 携帯電話回線ではなく、無線LAN(Wi-Fi)の存在も重要になる。モバイルWi-Fiルーターが手元にあれば、いざというときに便利だ。

「自宅や目的地の近くで、公衆Wi-Fiが利用できる場所を把握しておくことも大事です」と鈴木さん。

 コンビニ、駅など公衆Wi-Fiを利用できる場所はあるはずだが、うろ覚えの人はこの際に情報をまとめておくと良いだろう。公衆Wi-Fiを探してくれるアプリもある。ただ、「セキュリティの不確かな公衆Wi-Fiを利用するのは極力、避けた方が良いと思います」(鈴木さん)とも。

 障害が発生したものとは別のキャリアを使っている友達などがそばにいたら、その友達のスマホを親機として「テザリング」という機能で電波を共有することができる。こちらも、使い方を学んでおいた方が良いかもしれない。

 また、鈴木さんはLINEやSkypeなど、通話機能のあるSNSやアプリを複数スマホに入れておくことをすすめる。

「誰かと連絡がとれるアプリがいくつかあった方が、いざというときには安心だと思います」(鈴木さん)。確かに、通信障害が起きた時、運悪く何かのアプリの不具合が重なる可能性も否定はできない。

 いまやその数も利用する機会も激減した公衆電話は、通信障害が起きた時には助けになる。まずは自宅近くのどこにあるか、把握しておきたい。

 ただ、公衆電話を使っていた世代は、“盲点”に注意だ。

「固定電話がないご家庭も増えましたので、受話器を取ってからダイヤルボタンを押すという電話のかけ方を知らないお子さんがいるかもしれません。お子さんには公衆電話の存在とともに、その使い方を教える必要があるかも考えてみてほしいと思います」(鈴木さん)

 高齢の親と離れて暮らしている人もいるだろう。通信障害によって連絡が取れなくなるのは心配だが、スマホの扱いが得意ではない高齢者の場合、2台持ちをすすめても逆に負担になってしまう可能性がある。

「滅多に使わなかったとしても、固定電話を引いたままにしておくのも一つだと思います。ただ、電話詐欺などのリスクがありますので、対策機能が付いている電話機が望ましいです」(鈴木さん)

 お金がかかるものもあるが、もしもの時の安心にはつながる。取り組めそうな対策はないか、まずは考えてみたい。 (AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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