今の日本の経済が疲弊しているのは明らかです。岸田首相は就任時に、「新自由主義からの脱却」を掲げていましたが、今のところ積極的に取り組んでいる様子はない。参院選後は大きな国政選挙はなく、腰を据えて政策に取り組める「黄金の3年間」になる。岸田首相が宏池会の伝統を引き継ぐのであれば、ここで、経済に軸足を置く可能性はあります。参院選後に内閣改造があるので、そこでどんな顔ぶれが並ぶのか。新たな党内の力学も見えてくると思います。

 安倍氏は保守の象徴であり、リーダーシップもありました。安倍派の後継が誰になるのかは、まだ読めません。安倍派には「自分こそが総裁候補だ」という人も多い。下村博文氏、萩生田光一氏、西村康稔氏らがいますが、誰かが頭一つ抜けているわけではない。安倍派ではないですが、高市早苗政調会長も安倍氏の後ろ盾を失った。派閥内の亀裂を避けるために、集団指導体制をとることもありえます。誰が指導力を発揮するのか、見極める必要があるでしょう。

 具体的な動きはいずれもこれからです。

(構成/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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