外山さんの実家に貼ってあった献金金額の「達成表」。一部画像を加工しています(本人提供)
外山さんの実家に貼ってあった献金金額の「達成表」。一部画像を加工しています(本人提供)

 外山さんが他の2世に提供されたという資料によると、先祖解怨の後は、先祖を「祝福」する儀式がセットになっていて1段階、すなわち7代ごとに献金が求められる。1~7代までは70万。以降、7代~210代まで7代ごとに解怨感謝献金が3万、祝福感謝献金が1万。29段階で合計186万円。教団は祖父母を含めた夫婦8家系の先祖解怨、先祖祝福を推奨しており、これをすべて実施すると、合計金額は1488万円にもなる。

 なお、世界平和統一家庭連合の広報部に確認すると、「先祖解怨ですか、それは清平の修練所でやっているもので(儀式の)主催元が違うので、教団広報でその値段をお答えするのは筋違いだと思います」(担当者)と回答した。

 外山さんは「実家にあった献金の達成表みたいなもの」と言って、あるグラフを見せてくれた。そこには8本の棒グラフが書かれており、それぞれのグラフの下には父方、母方の家系名が記されている。縦軸に先祖の代が記され、一番上には「430」とある。グラフのタイトルは「先祖解怨祝福勝利430代」。外山さんの両親はこの棒グラフを伸ばすために、数千万円になるまで献金を繰り返していったのだろう。

「統一教会にはサタンに打ち勝つ意味で『勝利』という言葉があるのですが、これは献金額を達成する意味でも使われます。『この家庭はこんなに勝利しました』みたいな感じで礼拝の場で発表されて、みんなから『すごいね』と称賛される。教会内での地位も高くなるから、献金額がどんどんエスカレートしていくんです」

■全財産を差し出せ

 儀式にともなう献金のほか、定期的な“献金ノルマ”もあるようだ。

「収入の10%を献金する『十分の一献金』が基本ですが、『摂理』と呼ばれる教会のミッションがあって、そのたびに献金を要請されます。教会からファクスなどで頻繁に連絡事項が送られてくるのですが、そのなかに『〇〇摂理を達成するために、1家庭、100何十万、お願いします』みたいなことが書いてある。摂理によって献金ノルマは変わるんですが、1990年代の後半には、全財産を差し出せ、みたいな要請もあったようです」

 献金ノルマについて、教団広報部はこう答えた。

「『十分の一献金』とは月例献金のことだと思いますが、強制ではありません。摂理というミッションがあるとは、私は聞いたことがないですね」(担当者)

 教団によると、建設会社を経営していた山上容疑者の母親は1998年に入信し、その4年後に自己破産したとみられる。この時期は外山さんが証言した超高額献金が要請された時期と重なる。

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「亡くなったご主人が霊界で苦しんでいる」