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気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ現象は続いているとみられます。なお、このエルニーニョ現象は、12月の東・西日本太平洋側の寡照や、沖縄・奄美の高温・多雨に影響したとみられます。今後も、春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高くなっています。

12月の実況

12月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値で基準値との差は+1.0℃でした。なお、エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の10月の値は+0.7℃でした。太平洋赤道域の海面水温はほぼ全域で平年より高く、海洋表層の水温もほぼ全域で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動及び中部の大気下層の東風(貿易風)は平年並でしたが、西部では月の後半に貿易風が平年より弱くなりました。このような海洋と大気の状態から、エルニーニョ現象が続いているとみられます。

今後の見通し

東部の海面水温が平年より高い状態を維持するように働いており、今後もそのような状況が続くと考えられます。なお、エルニーニョ予測モデルは、今後春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より高い値で推移すると予測しています。以上から、春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高くなっています(80%)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域の12月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、春にかけては基準値より低い値か、基準値に近い値で推移すると予測されます。インド洋熱帯域の12月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、春にかけては基準値より高い値か、基準値に近い値で推移すると予測されます。

12月の日本や世界の天候への影響

国内では、東・西日本太平洋側の寡照や、沖縄・奄美の高温・多雨にはエルニーニョ現象が影響したとみられます。また、国外においても、インドからフィリピンにかけての高温がエルニーニョ現象時の特徴に一致していました。

今後の日本への影響は?

エルニーニョ現象発生時の冬は、一般的には、東日本でも気温が平年よりも高くなる傾向になります。また、東日本の太平洋側では、日照が平年並みか少なくなる傾向となります。