
居場所のない子どもたちが困らない、子どもたちを守る社会の仕組みを作らなければならないわけだけど、そんなのは、ずっと昔から言われていること。じゃあ、僕がそこに関わるかって、急にはできないですよね。そうなってくると、なかなか解決し難い問題だなと思ってしまう。何が正解なのだろうとすごく考えたんですよね。
旧統一教会の祝福二世の子たちの話もそうで、家庭環境からトラウマを抱えていた。二世の子たちは信仰は切り捨てていて信者ではないけれども、親は信者。教団の住民票みたいなのがあって、そこには名前が載ってしまっている。決められた人としか恋愛をしてはいけないという環境で育てられたために、自分自身は信仰していないのに、一歩が踏み出せないと。
トー横の子たちや祝福二世の子たちを救うには、一体どうしたらいいのか考えてしまったんですよね。番組で関わったからって、正直な言い方をすれば、そういう子たちにやっていることは見て見ぬフリなんだろうけど。これに限らず、こんな社会問題っていっぱいあると思うんですけど。
我が子とか自分の身内が巻き込まれていたら行動に移すんでしょうけど、社会問題として、歌舞伎町の真ん中に少年・少女たちが集まっているのも周知されていて、良くないねとは思っているものの、突きつけられると「だからって、どうすんだよ!?」ですよね。すべてを解決するってことはできないんだろうけど、これでいいのかな? トー横という名称自体は新しくても、こんな問題は10年も20年も前からあったわけです。
トー横キッズの取り締まりを中国みたいにやるのかっていったら、それはまた、国としてどうなのってありますよね。トー横の子たちを一掃で蹴散らすと、居場所がない子を放っておいていいのか?という大事な問題は放っておかれる。
僕らの番組で掘り下げたことでも「これは社会問題ですね」「こんなことでいいのでしょうか」で、だいたい終わる。その繰り返で結局何にもしていない。もちろん立ち上がって何かをする人たちもいるけど、解決していくには人手が足りなかったりする。結論は出ないんだけど、俺たち大人って何もやってないな……こういうのってどうしたらいいんだろう。夜の街にたむろする少年・少女に大人がたじろぐというか、これでいいのかな……と悩んだ夏です。
■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。オンラインサロン「竹山報道局」は、昨年4月1日から手作り配信局「TAKEFLIX」にリニューアル。ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録