それでいうと、ABEMAで今回取り上げた旧統一教会の問題もかなり踏み込んでいます。僕が番組に出演していて「あ、これは地上波では流せないだろうな」とか「この辺のことは言えないだろうな」とか思うこともある。

 その辺の線引きって難しいところになってきているなと考えた。地上波が踏み込めないからと言って、先日のテレ東の特番はそれはそれで番組としては面白い。ここまで、見せてくれるんだって言うくらい踏み込んではいる。踏み込んでいるけど、もしかしたら今回のテレ東の特番の企画自体がいまのメディアではよしとされないのかもしれないとも思った。

 テレ東の番組は出演させていただいて、面白い番組だったし有難かったと思っているけど、掘り下げるということにおいては、どこまで地上波でできるのか、一方、ネットメディアならどこまでできるのか。その他のメディアではどこまでできるのか――なんとなく区分けみたいなものができているような気がした。

 そんな中で、考えさせられることもいくつもあって、例えば、今回のテレ東の特番でも『土曜TheNight』でも取り上げた、新宿・歌舞伎町にたむろする未成年を中心とした若者「トー横キッズ」。大人として意見とするならば、日本は法治国家なわけだし、未成年が23時以降に意味なく出歩いていたら補導されるべきである。そうした行き場のない未成年者たちに手を差し伸べる大人たちもいるけど、本来であれば保護者の許可がないとダメですよね。ダメなものはダメという論理だけで話せばね。

 トー横の子たちが23時以降補導されても決まりだからしょーがねーわと思うけど、番組のインタビューで少年が答えていたけど、23時以降強制的に家に帰らされ、そこでDVだったり、性的虐待されているケースもあると言う。そういう家に帰るのって「どうなの?」と少年が話していて、そう言われると我々大人も「確かにな……」となってしまう。

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見て見ぬフリなのか!?