心理的安全性があるチームでは、意見を言いやすく、協力して目標に向かって仕事を進めやすいのです。

「共同体感覚のあるチーム」とは、これに近いものです。共同体感覚があると、「ここに居場所がある」と感じられ、「ここの仲間を尊敬・信頼し、この共同体に貢献しよう」と思えるのです。

 その結果、自然と一人一人の力が発揮され、成果が出やすいのです。だから、リーダーの仕事は、部下の共同体感覚を育むこと、共同体感覚のある職場にしていくことが重要なのです。

●岩井俊憲(いわい・としのり)
1947年栃木県生まれ。70年早稲田大学卒業。外資系企業の管理職などを経て、85年、アドラー心理学の普及を目的に有限会社ヒューマン・ギルドを設立。40年近くにわたって、アドラー心理学に基づいた企業研修、セミナー、講演などを行う。その対象は、経営者から管理職、学生まで幅広く、受講者は20万人以上に及ぶ。ハリウッド大学院大学客員教授。主な著書に『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)、『働く人のためのアドラー心理学』(朝日文庫)、『人を育てるアドラー心理学』(青春出版社)など。著書は60冊を超える。