判決後、AERA dot.がキッズライン社に対し、経沢社長への取材を申し込むと文書での質問を求められた。そこで社長として判決をどう受け止めているか、被害当事者や家族に対しての社長としての思いを質問したが、
「代表経沢のコメントは本人のTwitterで表明しております」
とのことだった。
経沢社長のツイッターにはこうつづられている。
《昨日、東京地裁より2020年一時期、弊社に登録し活動していた橋下被告に判決が下りました。被害に遭われたお子様やご家庭の皆様へ改めて心よりお詫び申し上げます。そして、誠実に活動しているサポーターの皆様や弊社のご利用者様、その他多くの保育業界など関係者の皆様にも改めてお詫び申し上げます》
《このような事態を招いたのは、私代表取締役として不徳の致すところと強く反省すると共に、発生以来、全社を上げ再発防止策の策定と実施を、安全管理部も設置し取り組んでまいりました。今後も引き続き、安全性の向上に精進します。改めて、皆様に心よりお詫び申し上げます》
最後に、同社のホームページの「安全安心への取り組み」のリンクを添えていた。一回目のツイートでは被告の名前の漢字を「橋下」と誤記しており、その後、おわびのツイートをしていた。
なお、再発防止策などの質問に対しては、WEBカメラなどの活用推進を検討しているとしつつも、「プライバシー空間にカメラを設置することを躊躇する方もいる」ことや「高額なランニングコストの保護者負担」など問題が山積していると回答。また、カメラには死角があることや、トイレなどカメラが設置しづらい場所があることにも触れ、対策の難しさをにじませた。
橋本被告の判決が出た8月30日の朝、経沢社長はこんなツイートをしている。
《過去の数えきれないほどの失敗経験から学んだことは、諦めなければ、人間は何度でも立ち直れる、希望の光は「見える」のではなくて「見るんだ」ということでした。窮地に立たされ、懸命に踏ん張ると、人は思っている以上も(ママ)底力も解決策もまだ出てくる。だから、夢を諦めてはいけない、そう思いました》
性犯罪は「魂の殺人」とも言われる。被害を受けた子どもの心の傷は一生残る。経営者として「失敗」から学ぶことは大切だろうが、保育事業は子どもの命を預かる仕事であり、取り返しのつかないこともある。
企業側だけでなく、サービスを利用する保護者もまた、その重みを知っておく必要があるだろう。(AERA dot.編集部)