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ベビーシッターのマッチングアプリを使って、男児20人に性的暴行やわいせつ行為などをした罪に問われた元ベビーシッターの橋本晃典被告(31)に対し、東京地裁は懲役20年の実刑判決を言い渡した。最初に事件が発覚した2020年4月、ベビーシッターのマッチングアプリ「キッズライン」を使用して犯行に及んだことが報道され、同様のサービスが拡大する中で社会に衝撃を与えた。同社については、初動で情報開示をしなかったことや社長がコメントを出さないことなどが批判され、システム上の問題点も多く指摘された。厚生労働省はマッチングサイトの運用に関するガイドラインを見直し対応に動いたが、いまだ抜本的な再発防止策は見えていない。

【写真】「キッズライン」の経沢香保子社長

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 橋本被告が起訴された事件は5~11歳の男児に対する強制性交罪が22件、強制わいせつ罪が14件、児童ポルノ禁止法違反の罪が20件の計56件。

 8月30日、東京地裁は全56事件を有罪とし懲役20年(求刑・懲役25年)の実刑判決を言い渡した。

 量刑の理由について古玉正紀裁判長は、「信頼される立場を利用し、被害者らの性的知識の未熟さに付け込んだ悪質なもので、常習性も顕著」と指摘。被害を認識している男児もいることに触れ、「多大な肉体的及び精神的苦痛を現に味わっている。保護者が厳罰を望むのも当然」などと厳しく指弾した。

 橋本被告は一部の起訴事実について、「かぶれや炎症の有無の確認」「スキンシップ」のために男児の陰茎を触ったと無罪を主張していたが、地裁は橋本被告が撮影し保存していた動画の中で《執拗に触っている》ことや《近親者の了承もないのに男児の陰茎を触って撮影すること自体、通常はあり得ない行為》などから、わいせつ性を認定し訴えを退けた。

 橋本被告はベビーシッターのマッチングアプリ大手「キッズライン」を通じ保育などの依頼を受け、男児らに接近。2015年8月から4年4カ月もの間、犯行を繰り返してきた。

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「犯行の件数が際立って多いうえ、犯行態様も悪質」