メタに社名変更したことを伝えるザッカーバーグCEO(写真/アフロ)
メタに社名変更したことを伝えるザッカーバーグCEO(写真/アフロ)

 OZには世界中の人々が集い、アバターと呼ばれる自分の分身となるキャラクターを設定して現実世界と変わらない生活をネット上で送っている。

 世界中のあらゆる言語が瞬時に翻訳されるので言葉による壁がなく、誰でも気軽にショッピングを楽しめる。食品、家具、自動車、不動産、さらに音楽や映画なども実際に目の前にあるように体験できる。

 ビジネス環境のサポートも万全で、国内外のさまざまな企業がOZにオフィスや店をかまえている。もちろん新たにオフィスを設けることも可能だ。

 さらに各種手続きもOZで行える。多くの行政機関や地方自治体がOZに窓口を設置しているので納税したり、行政サービスを受けられたりする。医療データの管理もOZ内だ。

 ところが、ある日OZは謎の人工知能・ラブマシーンに乗っ取られてしまう。その影響はOZと密接に連携している現実世界の隅々に及び、社会全体を大混乱に陥れる。それに対して数学が得意な高校生の主人公らが立ち向かう――というストーリーだ。

 なるほど、メタバースのイメージがぐっと湧いてきた。西田さんによれば、メタやNTTコノキューがつくろうとしているのはOZのような「プラットフォーム」だという。そこにさまざまな企業がビジネスを展開し、自治体が行政サービスを行い、多くの人々が訪れる。

コンサートも理想の席で

 メタバースの世界では、アメリカの知人に飛行機で会いに行かなくても現実世界と同じように仮想空間で会える。空間や時間による制約を大幅に減らせる。ある意味、Zoomのようなビデオ会議でも近いことが実現されているが、メタバースではすでにアバターの目線や指先の動きから感情を読み取るようなことも可能である。

 また、メタバースは仮想空間なので、現実にないものを持ち込めるのも大きなメリットという。西田さんが続ける。

「例えば、商品のデザイナーとオフィスで打ち合わせをするとします。でも、開発段階では手に取れる試作品は普通ありません。でもメタバースなら図面を3D化した試作品を持ち込める。それを目の前に置いたように感じ、形状を修正しながら会議ができるわけです」

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今後10年で少しずつ変わるはず…