Q 「腫瘍」とは、がんのことですか?
A 悪性と良性があり、悪性腫瘍=がんのこと
「腫瘍」とは、からだにできる「できもの」全般のことで、そのできものを作っている細胞の性質によって、良性と悪性に分けられます。
悪性腫瘍というのは暴れん坊で、「増えたり大きくなったりするスピードが速い」「隣の臓器などにかみ込んで広がる(浸潤)」「離れた臓器に飛び火する(転移)」「栄養分を奪い取ってからだを弱らせる」などの特徴があります。この悪性腫瘍が、いわゆる「がん」のことです。
一方、お行儀のよいのが良性腫瘍で、無秩序には増えず、周囲の組織を押すようにしてゆっくり大きくなり、浸潤や転移はしません。
その腫瘍が悪性か良性かは、細胞や組織を調べる病理検査などで診断されます。ただし、良性か悪性かをはっきり区別できないものもあり、経過を観察したり、手術などの治療をおこなったりします。
Q 良性腫瘍なら、治療は必要ないのですか?
A 大きくなるとがん化のリスクが高まるものなどは、治療することもある
良性腫瘍でも、できた場所、大きさなどによっては症状が出ることがあり、その場合は治療することもあります。
例えば、良性腫瘍の一種の子宮筋腫では、月経痛、過多月経などで生活に支障が出たり、不妊の原因になったりするので、必要に応じて薬や手術などの治療がおこなわれます。治療しているのに小さくならない、大きくなるスピードが速い、閉経後も大きくなるという場合は、子宮筋腫ではなく悪性腫瘍(子宮がんや子宮肉腫)である可能性を考える必要があり、詳しい検査をすることもあります。
大腸にできる良性腫瘍の腺腫の一部は、大きくなると悪性化してがんになることが知られています。そのため、一定の大きさ(5ミリが目安)を超えるポリープを見つけたら、内視鏡治療で取ってしまうことが勧められます。
Q がんの再発・転移は、どのように起こるのですか?
A 見つからずに潜んでいたがん細胞が、治療後に徐々に大きくなったのが「再発」