豊見城市の「おきなわ工芸の杜」を訪問した際には、天皇陛下はかりゆしのシャツ姿、雅子さまは柄のワンピースに紺のジャケットという装いだった。「造形ワークショップ」の参加者のテーブルを周り、描いた絵について熱心に質問をされた。
このかりゆしについては、沖縄県民は次のような印象を受けたと言う。
「天皇陛下のかりゆしは、第一印象から品のあるものだなと思いました。かりゆしで、地元の人以外が思い浮かべるような、柄が大きかったり、色が派手だったりするものは安価で、カジュアルな装い。冠婚葬祭にも着るフォーマルなかりゆしは、黒で柄が透かしだったり控えめに入っていたり、光沢ある糸で織られた艶のある生地だったりします。沖縄県民もフォーマルなものと普段着のものと分けて着こなしています。今回、天皇陛下が着ているかりゆしは、そのちょうど間ぐらいで、落ち着いていて品があるけど堅苦しくない印象です。かりゆしは、ズボンにインしないのが正しい着こなしで、天皇陛下は着慣れていらっしゃる印象です」(沖縄県民の女性)
そのかりゆし姿の天皇陛下と共に訪問された雅子さまは、柄のワンピースに紺のジャケット姿。普段はパンツスーツなどのマニッシュなものやかっちりとしたワンピースやアンサンブルなどの印象が強いため、珍しい装いではあるものの、さわやかさ、気品、そして、可愛らしさも兼ね備えている。
「かりゆしはもちろん女性も着ますが、女性が着ると急にカジュアル感が強く出てしまいます。そのため、一般的には、女性はきちんとした場での装いはワンピースかドレス、ジャケット、スーツです。スーツなどのワンポイントに伝統的な柄やモチーフが入っていることは多いです」(沖縄県民の女性)
雅子さまのワンピースの柄のモチーフは、沖縄に自生するツルランと熱帯植物のモンステラで、 ツルランの花言葉は“謙虚・誠実”、モンステラは“希望の光を導く”といわれる。さらに、イヤリングもさりげなく濃紺の花のモチーフのものだった。