最短はカンザスシティー・ロイヤルズの本拠地・カウフマン・スタジアムの12.7メートル。20年に開場したテキサス・レンジャーズの本拠地・グローブライフ・フィールドも12.8mと短い。ファウルゾーンが狭くなることで観客席との距離が近くなり、臨場感が高まるため、米国では問題視されていない。メジャーリーグを現地で観戦したファンは、「プレーしている選手たちが遠く感じる」と日本の球場のファウルゾーンの広さを不満に挙げる声が少なくない。
一方で、守備側からすればファウルフライの数が減るため、フライアウトを取る投手は不利に働く可能性がある。ただ、この見方も投手によって違うようだ。パ・リーグの球団に所属する投手は、「ファウルゾーンが狭い方が、僕は投げやすいですね。捕手の後ろが広いと遠近感をつかみにくい。捕手からバックネットまでの距離が長い札幌ドーム、横浜スタジアムは正直投げにくい。同じように感じている投手は多いと思いますよ」と証言する。
来季はファウルゾーンが規定より狭い広さで公式戦が開催されるエスコンフィールド北海道。スタンドで観戦する観客の反応が好評だとしても、今回の球場問題を「結果オーライで良かった」と捉えるわけにはいかない。だが、観客の安全面に配慮した上で、60フィート以上(18.288メートル)という公認野球規則の規定を見つめ直しても良いのかもしれない。(今川秀悟)