国際宇宙ステーション(ISS)はサッカーコートと同じくらいの大きさ。左右には、太陽電池パドルが広がっている/(C)NASA
国際宇宙ステーション(ISS)はサッカーコートと同じくらいの大きさ。左右には、太陽電池パドルが広がっている/(C)NASA

 1994年になると、アメリカとロシアが協力してシャトル・ミール計画がはじまる。NASAはスペースシャトルの輸送能力をいかしてミールの最終的な建設に協力し、ソビエトが持つ宇宙ステーションに関するノウハウを学んだのだ。

 ISS計画は当初、アメリカ主導のもと、日本、欧州、カナダにより進められたが、後日、ロシアもこれに加わることになり、1998年にロシア製の最初のモジュール「ザーリャ」が打ち上げられ、建設が始まった。以降、世界の宇宙飛行士の活躍の場は、主にこのISSとなった。現在、ISSの運用には世界15カ国が協力。さまざまな研究が行われている。

 一方の中国がはじめて宇宙ステーションを打ち上げたのは、2011年。その5年後には2号機を打ち上げ、2021年には3機目となる「天宮」の建設を開始した。1号機と2号機はモジュールがひとつだけのステーションだったが、この3機目の天宮は3つのモジュールがT字型につながる構成になっている。

 3つのモジュールにはそれぞれ名前がついていて、最初に打ち上げられたのが「天和(てんわ)」というコア・モジュール。その左右には実験モジュール「問天(もんてん)」と、今回打ち上げられた「夢天(むてん)」がドッキングしている。公開された画像ではさらに、天和の先端に補給機「天舟(てんしゅう)」、機体底部に有人宇宙船「神舟(しんしゅう)」がドッキングしている様子が描かれている。

 この天宮とともに宇宙望遠鏡「巡天(じゅんてん)」も打ち上げられる予定だが、その視野は、1990年に打ち上げられ現在も運用が続くハッブル宇宙望遠鏡の300倍。同機をメンテナンスする際には、天宮とドッキングすることも可能だ。宇宙開発における中国の存在感は、やはり高まるばかりだ。

(構成 生活・文化編集部 塩澤 巧)

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