食品や日用品、光熱費の値上げが続く今こそ知りたい、使える賢い節約術を “生活保護”の状態から、奨学金や借金でハーバード大学に進学したパトリック・ハーラン(パックン)が紹介! さらに、パックンが奇妙に感じている日本人のお金の使い方とは? いまさら聞けない「お金の基本」もしっかりカバーした、パックン初のお金の本『パックン式 お金の育て方』から一部を抜粋・再編して公開します。
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■「老後計算機」は、節約の強い味方になる!
あなたが上手に「節約」をしたいなら、めちゃくちゃ役立つ秘密兵器が一つあります。
それが、「老後計算機」です。
もちろん「計算機」といっても、カシオやシャープのカタログで探しても、老後計算機は見つかりません。
頭の中で、「このお金を老後まで取っておけば、どうなるかな」と計算をすることを、僕は老後計算機と呼んでいるのです。
たとえば、仕事の帰り道。喉が渇いたら、飲み物を買いたくなりますよね。
ちょうど、目の前の自販機で100円のボトルウォーターが売られていたら、「たった100円なら……」と思って、買う人が多いのかもしれない。
でも、前に書いたとおり、アメリカの株式市場はだいたい年間7%くらいの利益率を見込めるので、72の法則で計算すると10年おきに投資額が倍増することがわかる。
だから、今あなたが使おうとしているお金は、10年後に2倍、20年後に4倍、30年後に8倍……。そして50年後には32倍になる可能性がある。
というわけで、100円を老後計算機にかけると「50年後には3200円に膨らむ」ということに気づけます。
では、50年後から現代に戻ってきてください。
100円のボトルウォーターを老後計算機にかければ3200円です。
今、あなたが自販機に何気なく突っ込もうとしているのは、1枚の百円玉ではなく、百円玉2枚と千円札3枚だ、と考えてください。