パトリック・ハーランさん
パトリック・ハーランさん
この記事の写真をすべて見る

 投資に付きまとうのが「大儲けできる」という怪しいけどちょっとうらやましい話。でも、ちょっと待って。ハーバード大学卒で投資歴25年以上のパトリック・ハーラン(パックン)が、「大儲け」よりも大切な、投資に対するスタンスを明かしてくれました。いまさら聞けない「お金の基本」までしっかりカバーした、パックン初のお金の本『パックン式 お金の育て方』から一部を抜粋・再編して大公開します。

*  *  *
■投資での「大儲け」には本当に再現性があるの?

「暗号資産で大儲けしている人もいるじゃん!」という人もいると思います。

 そんな方にぜひ言いたい。

 まずは、資産だと思わないためにも、「クリプト」と呼びましょう。

 そして、僕は、その論点を……認めましょう

 たしかに、SNSなどには、いろいろな「うらやましい話」が出ています。

「クリプトで数千万円儲けた!」とか「家を買った!」とか。

 景気の良い話があって、うらやましいと思うのは無理もありません。

 アメリカには、プロスポーツチームのスタジアムの命名権(ネーミングライツ)を買い取ったクリプトの会社だってあります!

 でも、家やスタジアムが買えたのは、円やドルのおかげですよね?

「○○コイン」が使えた証では決してないです。

 ある人が持っていたクリプトを、別の人がより高い値段で買ったからできたお買い物にすぎません。

 これは、クリプトの価値が上がったのではありません。

 取引の値段が上がっただけです。

 そして、後からクリプトを高く買った人が損をしている可能性は十分あります。

 損した人は、SNSでバズっていないから、ただ僕らが意識していないだけです。

 もちろん、「家を買った!」という人は、クリプトの売り買いのタイミングが良かったのです。ラッキーだったね、おめでとう!

 でも、それは本当に「ただラッキーだっただけ」と思った方が賢い考え方です。

 こんな風に言うと、理解しやすいかもしれません。

次のページ
手堅い投資のためには「ビジネスモデル」を理解しよう!