相手のオランダベンチからも拍手が送られ、アメリカのアナウンサーも「ゴッドハンド!」と称賛するプレーだった。しかし、チームはベスト4で終わった。
ただ、21年の東京五輪は見事、金メダルを獲得した。
東京五輪、WBC、プレミア12など豊富な経験から国際試合の戦い方について菊池はこう話す。
「相手のデータはありますが、どうしても一歩引いて、積極的になれないところがあります。とりあえず、ボールは見ていこうとか慎重にとか、引き気味の空気に包まれることが多い。17年にベスト4で負けた時も、雨で試合前に練習ができず、大事にいこうという雰囲気にチームがなってしまったことが今思えば残念な結果となったように感じます」
では、どういう戦い方がベストか聞くと、
「僕の経験としては、国際試合こそガツガツ、がむしゃらに、積極的にいくこと。これが大事です。WBCや五輪でいうと、チームにはすごい選手ばかり集まっているので、実力は何も問題ない。野球は団体競技なので、チームが一つになれるかどうか。そこが最大のポイント。東京五輪でも、壮行試合では結果が出なかったけど、勝つことでチームがまとまってきた。今回は準備期間が短いので、初戦に勝ってうまくチームがまとまれば、世界一になれます」
と話した。
注目の大谷は投打の「二刀流」でいくべきなのか?
「大谷の二刀流をぜひ見たいところですが、それは栗山監督が決めることですからね。大谷という世界レベルの二刀流は他のチームにとっては大きな脅威です。今回は大谷もダルビッシュも同じチームにいて、ヤクルトの村上宗隆、チームメートだった鈴木誠也ら強打者がいる。すごいですよ」
一方、広島は今シーズンから、新井貴浩・新監督を迎えてのスタートとなる。
菊池は入団して12年目とベテランの域に入ってきた。最近では、自身の練習だけではなく後輩の指導にも乗り出す。
「セカンドを守っていて一塁方向に打球が飛ぶ。セカンドベースにバックトスで投げる、その時、右手中指の関節をどういう力具合で投げると正確な送球ができるのか教えてくれます。技と言葉で教えてもらうとよくわかる」