二塁手として歴代最多を更新する10年連続でゴールデングラブ賞を獲得した広島の菊池涼介。これまで、日本代表として多くの国際大会に出場し、2021年の東京五輪では金メダル獲得に貢献した。今年はワールドベースクラシック(WBC)が開かれる。大谷翔平やダルビッシュ有といったメジャーリーガーも出場の意向を示しており、期待も大きい。「攻めの姿勢で守る」という守備の“職人”が、WBCの戦い方について語った。
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「テレビで日本シリーズを見ていて、悔しい、俺もこの場に立ちたかったなと思うばかりでしたよ」
昨シーズンは、輝かしい個人成績を残した一方で、自身は新型コロナに2年連続で感染し、チームはクライマックスシリーズ(CS)を逃し、3年連続のBクラス(4位以下)という悔しい結果に終わった。
印象に残っている試合は、「原爆の日」の8月6日、マツダスタジアムでの阪神戦という。
3点を追う八回、1死二、三塁。打席には好打者の近本という場面。
本塁でアウトをとりたい広島は前進守備をとっていた。近本が放った鋭い打球は、菊池が守る二塁方向に。菊池は体をひねって打球をうまくさばき、本塁でアウトにした。
「あの試合はCSを争うなかで、絶対に負けられない一戦だった。しかも広島が追い上げて、いい雰囲気になっていた。点をやれない展開で、すごい打球が飛んできました。とにかく本塁でアウトを、と思っていたのですが、タイミング、打球のスピードから、走りながら取る、そして投げる。それもドンピシャの“ストライク”でないと無理だと判断し、思い切って投げました。100回同じ場面があって、1回うまくいくかどうかというプレーが出来てアウトにできました。シーズンで一番のプレーでした」
試合はその後、逆転勝ち。「原爆の日」に広島が本拠地で勝ったのは19年以来3年ぶりだった。
菊池のプレーについてはSNSでも、
「菊池うますぎ」
「あれがアウトにできるのか」
と称賛する書き込みが躍った。