音楽ストリーミング配信サービスのSpotify(スポティファイ)が、インディ・ファンク・バンド、Vulfpeckの無音アルバム『Sleepify』を排除したことがローリングストーン誌の報道により明らかになった。

 VulfpeckはバンドのSpotifyページ上にあった『Sleepify』を“公式声明”と称した3曲入りのレコードにうまく差し替えており、何があったのかをそこで説明している。同レコードのオープニング・トラック「#Hurt」(傷ついた)でメンバーのひとりは、「5分ぐらい前にSpotifyからメールを受け取った。要点はこうだ。『Sleepify』は楽しく、面白く、賢い。が、コンテンツの条件に反している、と。彼らは『Sleepify』をSpotifyから引き下げるよう要求してきたんだ」と話している。

 彼らは厄介なポリシーが背後にあるとは知らず、“不確かな瞬間”をじっくり考えるため30秒間の無音(「#Reflect」)をもたらし、「Parted Sea (Strong Pesach)」と題された独特の雰囲気に続けていた。

 『Sleepify』がリリースされたとき、Spotify側は軽く受け止めていたようで、同広報担当のグラハム・ジェイムズは「巧妙な手だが、むしろ彼らの以前のアルバムの方が好みだ。『Sleepify』はジョン・ケージの曲から派生したものだろう」と話している。ジョン・ケージの有名な無音曲「4分33秒(4'33")」はまだSpotifyに残されていることでその説明がつく。

 『Sleepify』がストリーミングされた回数は今月初めの時点で372万回にのぼり、18,000ドル(約184万円)ほどの収益を得ているVulfpeck。全公演無料のSleepifyツアーの資金調達にと考えていたようだ。