薬との飲み合わせにおいては、薬や飲み物に含まれる成分も重要ですが、その「量」が非常に重要です。とりすぎればからだに良くない影響をおよぼします。逆に言えば、問題なのは「量」であって、お茶で薬を飲むこと自体が全くだめということではありません。
本来、薬は水か白湯で飲むことを前提として、効果が発揮されるように試験されているため、水で飲めるのであれば水で飲むことが望ましいでしょう。もし、手元に水がなく、飲まないことで体調が悪くなるなどデメリットやリスクが大きくなる場合は、お茶があるならお茶で飲んでもいいでしょう。ただし、あまり濃いお茶では飲まないなど、タンニンやカフェインの量は意識すると安心です。
■グレープフルーツジュースや牛乳も薬によっては注意が必要
薬を飲むときに注意したい飲み物は、お茶だけではありません。とくに注意が必要なのが、グレープフルーツジュース、牛乳、青汁。そして絶対に薬と一緒に飲んではいけないのが、お酒です。
グレープフルーツジュースは、薬の「吸収」ではなく「代謝」に影響をおよぼします。代謝とは、尿や便と一緒に体外に排出するために、薬を水に溶けやすいかたちにすること。薬を代謝するために必要な「酵素」の働きをグレープフルーツが阻害するために、薬が代謝されにくくなり、薬の効果が強く出たり、副作用が出やすくなったりします。
グレープフルーツをそのまま少量食べることは問題ありませんが、ジュースは果汁を濃縮するため成分が凝縮され、量が多く含まれることで問題が生じます。グレープフルーツジュースで飲んではいけない薬として、高血圧の治療薬である降圧剤がよく知られますが、ほかにも抗菌剤やコレステロールを下げる薬など、影響を受ける薬は多くあります。
また、牛乳は、一部の抗生物質や抗菌剤と一緒に飲むと、カルシウムが薬の成分と結びつくことで薬が吸収されにくくなり、効果が弱まることがあります。青汁は、血液をサラサラにする薬の一種、「ワーファリン」と一緒に飲むと、青汁に含まれるビタミンKが薬の作用を弱めてしまうとされています。
そして、絶対にしてはいけないのが、お酒で薬を飲むこと。アルコールは中枢神経に影響をおよぼします。同じように中枢神経に作用する薬(睡眠導入剤や安定剤、風邪薬、消炎鎮痛剤など)は、薬の作用が強く出たり、副作用が出やすくなったりして非常に危険ですので、絶対にやめましょう。