だが、福田は単なるモテ芸人ではない。本業のお笑い芸人としても評価は高い。放送作家は言う。
「福田さんはアイドルグループ時代からコント台本やイベント構成を手掛け、プロデューサー的な才能を持っていました。17年に『3時のヒロイン』を結成すると、その才能をさらに開花させ、破壊力のあるボケの2人を、福田さんが的確なツッコミで回し続けるというトリオ芸を確立。所狭しと躍動する2人を猛獣使いのごとく操縦し、結成2年で『女芸人No.1決定戦 THE W 2019』の頂点を極めました。タイミング的に第7世代がブレークし始めたときと重なっていたため、すんなりとバラエティー番組にスライドしてすぐに売れっ子になれたのも、芸人として“持っている”といえます」
■にしたんクリニックCMにおじさんもくぎ付け
テレビ局からの“モテぶり”は数字にもしっかりと表れている。「2022年TV番組出演ランキング」(エム・データ)の女性部門では、新井恵理那、池田美優に続き、福田が単独で3位にランクイン。人気の高さを裏付けた。
「トークも突っ込みもできて、華もある。番組制作側からしたらとても重宝する存在です。頭の回転の速さはもちろんですが、きちんと学力もあるので、クイズ番組や教養番組からのオファーも多いようです。最近では、視聴率の高い『プレバト!!』で披露した俳句が俳句査定で才能アリ1位を獲得しています。辛口評価で人気の夏井いつき先生から『久しぶりに本物の句が来た!』と最大級の賛辞を受けていました。これでさらに出演番組の幅が広がる気がしますね」(前出の放送作家)
今後、福田にはどのような活躍が期待されるのか。「ABEMA的ニュースショー」でコメンテーターとして活躍する元「週刊SPA!」芸能デスクの田辺健二氏はこう述べる。
「ピンでの出演が多いのは、彼女の芸人スキルが評価されている証拠です。『実はブラコンで、いまも実家に帰ると実兄と一緒にお風呂に入る』といったパンチ力のあるエピソードを豊富に持っているのも強みです。ただ、手練れの出演者が多いトーク番組では、たまに埋没してしまうことも。バラエティーの平場に生息する猛獣芸人たちを福田さんがどうコントロールしていくのかが今後の課題だと思います。最近ではタクシー内のモニターでもおなじみの『にしたんクリニック』のCMで、3時のヒロインの3人が勇ましく踊る姿にくぎ付けになったおじさんが多いため、福田さんへの注目度もさらに高くなっています。より輝くためには、政治や芸能も語れるコメンテーターの仕事を増やしてコメント力を磨き、ご意見番としての立ち位置を獲得していくのもいいかと思います」
23年は公私ともに飛躍の年になるか。
(高梨歩)