荒川 実際、人間の社会でそういった側面はありますよ。たとえば、再婚する男性の割合は、再婚する女性と比べて多いです。私はこれを「時間差一夫多妻制」と呼んでいます。恋愛強者の男性が結婚を繰り返せば、一度も結婚できない男性が出てくることはありえます。
宮崎 経営者の方々と話していると「多夫多妻でいいんじゃないか」といった声をよく聞きます。彼らは異口同音に「2人目の奥さんをOKにしてほしい」と。「2人目の奥さんがOKになれば、お金をもっと使うようになるから経済も回るし、少子化対策にもなるだろう」って夜な夜な言っていますよ。納税額に応じて配偶者の数を増やす制度が導入されたら、経営者たちは節税に頭を悩ませるよりも、より納税をする方法を考えるかもしれません。
荒川 そういう経済的に余裕のある人が、社会で子どもを育てることにお金を回す仕組みがあればいい。アンジェリーナ・ジョリーみたいに、養子を迎えるのもいいでしょう。彼女は3人の実子と3人の養子を育てています。
宮崎 そうなんですよね。様々な家族のかたちというのをもっと考えるべきです。
- ――結婚する、しないの判断には所得も影響する。若い世代はその点においても、かつてない厳しい環境に置かれていると2人は指摘する。
荒川 若い世代で可処分所得が減っている問題もどうにかすべきです。年収が上がっても、社会保障費や税金があがり、手取り額が減り続けています。
宮崎 その課題はあります。その結果として、「パパ活市場」がおそろしいくらいに大きくなっている印象があります。
先日、知り合いから「近くでご飯食べてるからおいでよ」と誘われていくと、男4人と女の子4人の食事でした。そしたら最後に「話はついているから」と。何のことかと思ったら「パパ活」の場だったんですね。若い子を1人当てがわれそうになりましたが、僕は「いやいや、そういうつもりで来てるんじゃないから……」と断りました。