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がんの3大療法の一つである放射線治療は、ここ20年ほどの間に急速な進歩を遂げ、根治のための有力な治療手段に位置づけられるようになった。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から得た回答結果をもとに、手術数・治療数の多い病院をランキングにして掲載している。ここでは、「子宮がんの放射線治療」の解説記事とともに、婦人科がん(主に子宮頸がん)に対する放射線治療患者数が多い病院を紹介する。

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 婦人科がんでは、子宮頸がん、手術ができない子宮体がんや腟がん、外陰がんなどで放射線治療がおこなわれる。圧倒的に多いのは子宮頸がんだ。子宮頸がんの約80%は扁平上皮がんというタイプで、放射線が効きやすい。群馬大学病院の大野達也医師はこう話す。

「根治目的の放射線治療ができるのは、I期からIVA期(遠隔転移はないものの膀胱や直腸に浸潤した局所進行がん)と広い。I期とIIA期の標準治療は手術または放射線治療で、両者の治療成績はほとんど変わりません。IIB期以降は原則、手術ではなく、抗がん剤を同時併用する『化学放射線療法』が推奨されています」

■腔内照射が可能な病院と連携で治療できることも

 治療は腔内照射と外照射を併用する。腔内照射は腟から子宮腔内へアプリケーター(筒状の器具)を挿入。アプリケーター伝いにすぐ近くから原発巣に高線量を照射し、しっかりがんをたたく。転移しやすい骨盤のリンパ節など周囲への広がりは、外照射でカバーする。

「両方の強みを生かすことで、高い効果が期待できる。5年生存率はIII期、IVA期でも6割を超えています」(大野医師)

 治療後に直腸や膀胱から一時的に出血することがあるが、症状は軽いことがほとんどだ。

 放射線治療はからだへの負担が軽く、手術と異なり治療後の尿失禁がないなど、さまざまなメリットがある。しかしほとんどの患者は婦人科で診断されるため、I期、II期は放射線治療という選択肢を提示されないまま手術になる可能性もある。また、腔内照射を実施できる病院は100件程度で、限られているのが実情だ(日本放射線腫瘍学会のホームページで公開)。

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腔内照射が実施可能な病院と連携