──歴代の総理大臣と比べて安倍総理は何が違うのでしょうか。
安倍総理だけがちょっと異様すぎる。自分と違う意見は一切、聞かない。街頭演説でも「こんな人たちに負けるわけにいかない」でしょ。一国の総理大臣は、自分に反対の声を上げている人も守る立場なんですよ。しかも国会で「早く質問しろよ」とか、「意味のない質問だよ」とかヤジをいっぱい飛ばしている。憲法63条にはこう書かれています。
「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」
予算委員会は、政権与党が提出してきた予算を、野党、立法府にチェックしてもらっている場なんです。総理には説明責任がある。けれども、気に入らない意見に対してヤジを飛ばすでしょ。あの場に呼ばれているのは問われたことに答えるためで、総理の自説を述べる場所ではない。その自覚がなく、勉強不足も甚だしい。だから私は、総理大臣という立場を、憲法で規定されているその内容も理解していない人に、憲法改正って言ってほしくないんです。
(編集部・中原一歩)
※【なぜ安倍総理に「鯛は頭から腐る」発言? 立憲民主・辻元清美議員が真意を語る】へ続く
※AERA 2020年3月9日号より抜粋