侍ジャパンが10日に行われた1次ラウンド・韓国戦で、13-4と圧勝。初戦の中国戦に続く2連勝を飾った。
14年ぶりに侍ジャパンのマウンドに立った先発のダルビッシュ有が、3回にヤン・ウィジに左越え2ランを浴びるなど3点を先制される展開となったが、すぐに取り返した。反撃の口火を切ったのはラーズ・ヌートバーだった。3回無死一、二塁でキム・グァンヒョンのスライダーを中前にはじき返す適時打。さらに、近藤健介の中越え適時二塁打、吉田正尚の2点中前適時打でこの回一気に4点を奪って逆転した。
ヌートバーは守備でもチームを救った。1点リードの5回1死で遊撃とセンターの間に飛んだ打球をダイビングキャッチ。安打になれば試合の展開が分からなくなっていただけに、大きな価値のある好守だった。6回無死一、三塁の場面で背中に死球を受けた際は、マウンド上のキム・ユンソクを鋭い眼光でにらむと、言葉を発して怒りを露わにした。
日本と韓国の一戦は因縁の対決で知られるが、ヌートバーも日本を愛する魂で試合に入り込んでいた。ハートは熱くなってもプレーは冷静だった。7回1死一塁で右前打を放つと、右翼手のパク・コンウの三塁への送球が浮いた間に、二塁に進塁する好走塁。走攻守で躍動し、逆転勝利に大きく貢献した。
連夜の活躍でファンの心もがっちりつかんでいる。打席に立つ際に、観客が「ヌーーート!」と叫ぶ大合唱が定着。試合後のお立ち台では、「最高の気分です。日本代表の一員になれたことを誇りに思いますし勝てて良かった。もちろんヒットを打てたことはうれしいですが、それより打線が1番から9番まで打って、投手も抑えて勝てたことが嬉しい」とフォア・ザ・チームを強調した。ファインプレーについて聞かれると、日本語で「アリガト、アリガト、アリガト」と満面の笑み。怒りを露わにした死球については、「ちょうど、こっていた所に当たってほぐれたので良かった」と冗談を交えて患部に問題がないことを強調した。コショウを挽くペッパーミルのパフォーマンスがすっかり定着したことに、「チームメートもファンも受け入れてくれてうれしい。一体感のあるセレブレーションなので続けていきたい」と声を弾ませ、「ニッポンダイスキ!!ミンナ、アリガトー!」と絶叫してお立ち台を締めくくった。