もともとアメリカザリガニはウシガエル(食用ガエル)の餌として日本に持ち込まれたこと。

 チュウゴクオオサンショウウオはすっぽんよりも上品な味で、煮込むと非常に美味しいこと。

 オオクチバスはその大きい口でネズミなども丸のみしてしまうこと……。

 面白い発見があったら、思わず人に共有したくなるものです。他の子の発見に刺激を受けて、クラス全体的にいっそう調査に熱が入る様子が伝わってきました。

 しかし、本やインターネットで調べるだけでは、誰かから聞いた情報(二次情報)をただまとめているに過ぎません。

 翌週、登塾したばかりの1年生のTくんが開口一番にこう言いました。

「オオクチバスの天丼を食べてきたで!」

 週末に家族全員で滋賀県立琵琶湖博物館に出かけたことを興奮気味に報告してくれました。オオクチバスの常設展示を観た後に、博物館付設のレストランでオオクチバスの天丼を注文したそうです。

 彼いわく、オオクチバスは思ったより薄味でタイに似ているとのこと。

 実際に天丼を食べている場面の写真を見せてもらいながら、みんな興味津々で話を聞いていました。

 よく見ると、博物館で入手してきたチラシや、ポスターに使う写真のコピーでTくんのクリアファイルはパンパンです。これなら、ポスターづくりに困ることはないでしょう。

 探究堂の学びにおいては、実際に現地に出向き、現物に触れ、現場の人の話を聞く機会を大切にしています。

 それは本物に触れることが子どもたちのイメージを広げ、もっと学びたいという気持ちに火をつけると考えているからです。

 たくらみキッズは自らの足で情報を稼ぐことの重要性を改めて実感し、いよいよ最終ミッションであるポスター制作に挑みます。

AERAオンライン限定記事

○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。

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