国会で「桜を見る会」を巡る疑惑追及の中心となっている田村智子参院議員。疑惑にどう気付いたのか。逃げ切りを図る政権を、どう攻めるのか。AERA 2019年12月16日号では、田村議員に話を聞いた。
【写真】ジャパンライフの元会長に2015年に送られた「桜を見る会」の招待状
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「桜を見る会」の問題で、安倍首相を追及する急先鋒に立つ共産党の田村智子参議院議員(54)。11月8日の参院予算委員会で質問し、議論の火ぶたを切った。田村氏自身、「ここまで大きな問題になるとは想定外」と語るが、原動力になったのは政権への怒りだという。
「元々は、予算を無視するやり方が怒りの出発点なんです。同じ内閣府の予算で、性暴力被害の相談を一元的に受け付ける『ワンストップ支援センター』の運営費が、2018年度は予算不足という理由で計8千万円削減されました。なのに、桜を見る会だけは総理の行事だからと、来年度予算は約5729万円と今年度予算約1767万円の3倍。納得できないですよね」
国民の不信感を一気に高めたのが、野党からの資料請求があった1時間後に、内閣府が出席者の名簿を廃棄したことだ。名簿は、本当に「もうない」のか。
「ありますよ。各省庁の推薦者名簿が保存されているのに、内閣官房の『総理・長官等の推薦者』『与党による推薦者』の名簿だけが廃棄されたというんですが、例えば元国会議員は毎年ではなく年をずらして招待しており、その管理のためにも名簿は必要です。破棄したのが事実なら、安倍政権のもとで、内閣府と内閣官房は、公文書のまともな取り扱いさえできない行政府になり果てた、ということになります。やましいところがないなら、総理の責任で電子データを復元させ、全ての名簿を明らかにすべきです」
11月25日の参院行政監視委員会では、高齢者相手のマルチ商法で行政指導を受けた「ジャパンライフ」の元会長に招待状が送られていたことも指摘した。焦点となったのが、受付票に記されていた「60」という番号。総理の推薦枠である可能性が高いことがわかったのだ。