そういう恋愛ごっこに付き合ってくれるのもクズの人たち。恋愛においてクズ発言が許される時期は、ものすごく楽しい時期です。歌い手=私、観客=彼氏、みたいな二人だけの世界。間違った回答かもしれませんが、僕はその時期を大事にしてほしいと思うんです。だって、後からやろうと思ってもできないから。

 クズって時間を止めてくれる存在だから、年齢を重ねて「人と同じように自分も立派にならなきゃいけない」というプレッシャーをはねのけられる。それはすごくありがたい時間とも言えます。

 普通の恋愛がつまらなく見えてしまうという、あなたの言っていることは真理です。恋愛ごっこが恋愛になり、パートナーシップになっていくと、生活に比重が移っていき、業務報告の割合がどうしても増えざるを得ない。でもそれが幸せに見えてくるときもあるはずです。そろそろマシュマロじゃないな、と。

AERA 2019年12月9日号

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