ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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クランベリーといえばカクテルに使われている印象が強いですね。ジュースもあるけど子ども向けじゃない。そのままで食べることはまず無いのは、やはり酸味がかなり強いからなんでしょう。あの酸っぱさ、僕は好きです。アメリカでは感謝祭のターキーにクランベリーソースが定番です。酢豚にパイナップル、鴨にオレンジソースと同じ感覚なんでしょうね。
クランベリーソースで思い出したのが、僕がかつてアルバムに参加したシンガー、シュガー・ソウル。彼女の「ソース」っていう曲に「薔薇色のソースであなたを味わいたいの」とあるんですよ。なかなかセクシーな歌詞ですが、まさにクランベリーソースのイメージです。ただ、彼女のことだから、赤いソースにはもっと深い比喩が込められているのかもしれない。当時、米国の女性グループTLCが「レッド・ライト・スペシャル」っていう曲を出していて。ここではちょっと詳しくは言えないのですが、シュガー・ソウルも同じモチーフを歌っているのかも。クランベリーの鮮やかな赤が、いろんな想像をかき立てますね。
※AERA 2019年12月9日号