「“働き方改革”が進むなか、テレワークの場を提供したいと思ったのがひとつ。また、オフィス街の店舗は昼の稼働率向上も課題でした。ビジネス需要を掘り起こすことで、売り上げにつながるのではと考えました」
仕事仲間とふたり、三鷹市内の店舗を利用してみた。「オフィスボックスで」と伝えると、貸し出しグッズの要・不要を書く紙を渡される。ホワイトボードとペン、電源タップを借りて部屋へ向かう。
通されたのは一般的なカラオケ個室。CMが大音量で流れていたが、音を消せばすぐに静かな空間ができ上がった。ちなみに川崎さんによると、本来の運用ではドリンク提供時にスタッフが電源を落とし、カラオケ利用はできないとのことだ。隣室がカラオケ利用をしていると音漏れで騒がしいかと思ったが、その点も考えられている。
「店舗の状況にもよりますが、極力オフィスボックス利用とカラオケ利用の方の部屋を離してご案内します」(川崎さん)
出先でも人の目を気にせず議論ができるし、重要な資料も広げられる。打ち合わせにも個人利用にもよさそうだ。ただ、受付や貸し出しグッズの受け渡しに多少時間がかかる場合があるので、ある程度長く滞在できるときのほうが、効率がよさそうだ。
記者自身、どこで働くかは悩みの種だ。出社の義務はなく、取材の隙間時間も多い。効率的に働きたいが、自宅で集中するのは難しい。仕方なく片道1時間ほどかけて編集部に出勤し、隙間時間は目についたカフェに入るが、どうにもはかどらないことが多かった。しかしあたりを見渡すと、実は「快適な仕事場」はいたるところにある。仕事の種類に合わせ集中できる場所を探せば、パフォーマンスも上がるに違いない。(編集部・川口穣)
※AERA 2019年11月25日号より抜粋