令和の皇室でも「平成流」が続く。天皇や皇后の意思がどこまで反映されたのかは明らかではないが、今回のできごとで、このことが決定的になったと見るのは深読みがすぎるだろうか。

 もちろん、天皇陛下雅子さまも、阪神・淡路大震災、東日本大震災、西日本豪雨などの被災地に赴き、被災者と同じ目線で励ましの言葉をかけてきた。

 平成流を貫く一方、令和になってからは別の姿も目立つ。

 即位して間もない5月27日、国賓として来日したトランプ米大統領を歓迎する宮中晩餐(ばんさん)会が皇居で開かれた。翌6月にも、来日したフランスのマクロン大統領夫妻と皇居で会見。環境問題に詳しい天皇陛下はマクロン氏と気候変動の問題を語り合い、雅子さまは妻のブリジットさんからフランスの若者の失業問題について説明を受けた。

 米仏の要人との公務を振り返り、皇室ジャーナリストの近重幸哉さん(58)はこう話す。

「日本の新しい天皇と皇后の姿が世界に認識されたということがとても意義が大きかったし、プラスになったはず。国民も、国際舞台で大きな存在として扱われる新しい天皇陛下と皇后陛下の姿をそこで認識したのではないでしょうか」

 6月の愛知県での全国植樹祭に出席したのを皮切りに、9月には全国豊かな海づくり大会、国民文化祭、国民体育大会と、「四大行幸啓」といわれる定例の地方訪問を晴れやかな笑顔で終えたばかりだ。(編集部・皇室取材班)

AERA 2019年10月28日号より抜粋

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