■規定の純アルコール量を守れば健康も守れる

 健康リスクを避けながらアルコールを楽しむには、「週に2日の休肝日を設け、1週間に純アルコール量を100g(1日20g)に抑えるようにすればいいでしょう」と中島医師は話す。

 この数値を現代におけるお酒の適量と考えた場合、1日における飲酒量の例は以下になる。

1日における飲酒量の例
1日における飲酒量の例

 これから増える歓送迎会や花見では、1日に上記を守ることは難しい場合もあるだろう。たくさん飲みたい人は極力アルコール度数の低いものを選ぶか、飲みすぎた場合は数日間の休肝日を設けるなどして、「1週間に100g以下」を守るようにしたい。

 また、低価格でアルコール度数が高い(8~9%)ことから近年人気のストロング系チューハイは、1缶で1日の純アルコール量を簡単にオーバーしてしまうので、気を付けたいと中島医師は続ける。

「アルコールを飲むと、体内ではDNAや組織の傷害性を持つ有害物質アセトアルデヒドが発生します。これらは、肝臓でALDH(アルデヒド脱水素酵素)によって酢酸に分解され、汗や尿となって体外に排出されるのですが、ALDHの量には個人差があります。さらに、一晩に肝臓で分解できるアルコール量は約40gと言われています。一般的には5~6時間ほどで分解されますが、翌日も頭が痛かったり、体がだるかったりする場合は、体がアルコールを分解できる以上の量を摂取していると考えたほうがよいでしょう」

 ストロング系チューハイは清涼感があり飲みやすいため、こういった症状を起こす危険性が高いと考えられるそうだ。

■酔いやすい「フラッシャー」の人は食道がんのリスクが5~16倍

 以上が現代におけるアルコールとの上手な付き合い方だが、中島医師によると、そもそも飲酒自体を控えたほうがいい人もいるようだ。

「お酒を飲んでもまったく酔わない人もいれば、すぐに酔う人もいます。後者の場合は、アセトアルデヒドが溜まりやすいので要注意です。さらに、お酒を飲んで顔が赤くなる人もいます。これは医学用語で『フラッシャー』と呼ばれ、ほかの人と比べて食道がんのリスクが5~16倍も高いと言われています」

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フラッシャーの場合、食道がんのリスクが上がる