「中性脂肪の理想値は50~100mg/dl。低いと肥満のリスクが少なく血管の病気になりにくいと考えがちですが、40mg/dlでは心身の機能はぎりぎりの自転車操業状態です」(同)
他にも、肝機能の検査項目の「GOT(AST)」と「GPT(ALT)」は、それぞれ31U/l以上で肝機能障害が疑われ、保健指導判定値となる。記者は19U/lと16U/lで健康診断上は問題ないが、オーソモレキュラー栄養医学の考え方では、20~25U/lが理想値だ。姫野医師はぴしゃりと言う。
「ビタミンB6が全然足りません」
ビタミンB6が欠乏すると、神経伝達物質のGABAの合成がうまくできないため、落ち着きがなく興奮しやすくなる。毎晩、寝つきが悪いのはそのせいか。ビタミンB6が含まれる食材は、カツオやマグロなどだ。
「健康診断では、多すぎるものは指摘するけど、足りないものは見過ごされがち。心身の正常な機能に必要な栄養素が過不足なくあるかどうかチェックして病気の前兆を見極めるのが、本当の『予防医学』です」(同)
(編集部・野村昌二)
※AERA 2019年10月7日号より抜粋