「フレーミング効果」は消費行動以外でも人々の選択に影響を与えている。
同じ手術について、「死亡率10%」と伝えた場合と「生存率90%」と伝えた場合では、後者のほうが手術を受ける人が増える。「満足度90%のサービス」と言われれば、良質なサービスだという印象を受けて利用してみようかと前向きにとらえるかもしれないが、「10人に1人は不満を抱くサービス」と言い換えると評価は一気に下がり、利用する意欲は失われてしまう。同様に、「お給料の2割を貯金して」と言われると無理だと思うかもしれないが、「お給料の8割で生活して」と言われれば、できそうな気がして貯蓄への意欲がわくはずだ。
同じ現象にも裏と表があり、どちらを認識するかで判断は変わる。何かを選択するときは、「フレーミング効果」に気を付けて。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)