子どもの頃から生きづらさを感じ、大学を卒業すると就労に疲れて24歳から約2年半、ひきこもった。昼夜逆転の生活を送り、大量の薬を飲んで病院に運ばれることもあった。当時思い描く未来は、「よくて生活保護」。絶望し、このまま自殺するだろうと思った時、死んだら親を悲しませると思い「生きよう」と決めた。
18年2月に創刊した「ひきポス」は年4回の発行で結婚・恋愛、幸福など、ひきこもりが抱える問題に正面から取り組んでいる。7月に出た最新6号のテーマは「ひきこもりと父」。あまり語られることのなかった、「ひきこもり」と「父親」との関係に切り込んだ。
いま石崎さんは、家族と会社を経営し、ひきこもり当事者が集まる「ひきこもりUX会議」の理事として活動している。同会議では、当事者の交流イベントも頻繁に行っている。10年前の自分がまったく想像していなかった未来が起きていると感じる。そんな自らの体験から、ひきこもっている人たちにこう伝えたいと話した。
「人生はわからない。将来に、絶望することはない」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2019年8月26日号