雄たけびをあげる大谷翔平(写真:UPI/アフロ)
雄たけびをあげる大谷翔平(写真:UPI/アフロ)
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 こんな劇的な展開を誰が予想しただろうか。

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 WBC準決勝・メキシコ戦。侍ジャパンが難敵相手に、鮮やかなサヨナラ逆転勝利を飾った。1点差を追いかける九回無死一、二塁の好機。この試合4打数無安打3三振と快音が聞かれなかった村上宗隆ヤクルト)が左中間のフェンスを直撃する大飛球。二塁走者・大谷翔平(エンゼルス)に続き、代走の一塁走者・周東佑京(ソフトバンク)も一塁から一気に本塁生還し、三塁ベンチから一斉に飛び出した選手たちが喜びを爆発させた。

 殊勲の一打を放った村上は試合後のインタビューで、「何度も三振をして、何度も悔しい思いをして、その中でチームメートが点を取ってくれて助けてくれて。最後に打席が回ってきたので、僕が決めましたけどチーム一丸となった勝ちかなと思いますし、その期待に応えられてよかったです」と安堵の表情を浮かべた。そして、明日22日の決勝・米国戦に向けて、「2009年以来の決勝ですし、このベスト4という壁が凄い難しかったので、明日はこのチームでできるのも最後なので、目いっぱい楽しんで最高の決勝戦にしたいなと思います」と誓った。

 試合の流れを変えたのは大谷だった。九回に先頭打者で右中間への二塁打を放つと、一塁を回る直前に自らヘルメットを投げ、二塁に。雄たけびをあげて三塁ベンチに鼓舞するようなジェスチャーを見せた。

 大谷は試合後、「簡単に勝たない相手と分かっていましたけど、まさかこんなゲームになるとは思っていなかったので。ムネ(村上)がきつかったと思うんですけど、最後の最後にいい打撃を見せてくれたので、本当に最高の形で明日を迎えられるんじゃないかなと思います。(9回の打席は)四球でもいいと思って、甘いコースだけ打ちたいなと思って。必ず塁に出るっていうのは自分自身決めていましたけど、セカンドまでいけたのが大きかったと思います。本当に全員で…捕手も3人とも出てもらって、投手も苦しい中、相手の打撃も素晴らしかったと思うんですけど、つないで、つないで最後にああいう形になって、明日は良い形で迎えられると思います」と振り返った。

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