村上についても特別な思いがある。「本当に苦しかったと思うんですけど、人一倍バットを振っていましたし、必ず打ってくれるのは吉田さんもそうだけど、後ろの二人は僕が塁に出れば必ず最後に1点が取れると思っていたのでそういうつもりでいきましたし、本当にいいバッティングだったと思います」と村上を称賛した。

 決勝は米国戦。「最高の舞台で最高の相手だと思うので、楽しむ気持ちを持って明日を迎えたいですし、当然緊張するとは思うんですけど、必ず勝つんだという強い気持ちを持って全員で頑張りたいなと思います。源田(壮亮、西武)さんもそうですけど、みんな本当に目いっぱい、シーズンがまだ始まっていないですけど、身を粉にしてチームのために頑張ってくれているので、全力で準備したいですしそういう展開に持ち込むのが大事なので、一打席目からそういう気持ちを持って頑張りたいと思います」と誓った。

 この試合が開催された日本は祝日で、たくさんの子どもたちがテレビで観戦していた。メッセージを求められると、「何回かチーム全体で(気持ちが)折れかけていたと思うんですけど、最後まであきらめないという気持ちだけでつないで、つないで、ああいう形になったと思うのでみんな素晴らしかったと思います」と仲間に対する思いを語った。

 大谷が振り返る通り、試合の主導権を常に握られる苦しい展開だった。先発の佐々木朗希(ロッテ)が四回に先制の左越え3ランを被弾。その後、侍ジャパンは何度も好機を作るが本塁が遠い。七回2死一、二塁で4番・吉田正尚(レッドソックス)が右翼のポール直撃の同点3ランを放って試合を振り出しに戻したが、直後の八回に2番手の山本由伸(オリックス)が連続長打を浴びて勝ち越される。湯浅京己(阪神)も5点目の適時打を浴びて万事休すかと思われたが、侍ジャパンは粘り強かった。八回に代打・山川穂高(西武)の左犠飛で1点差に迫ると、九回に劇的なドラマが待っていた。

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